ブランク後の復職・転職について

ブランクのある歯科衛生士さんの復職・転職について

困った歯科衛生士

1. はじめに(ブランクのある歯科衛生士が復職するにあたって)

「子供が小学校に上がったので、そろそろ歯科衛生士の仕事に戻ろうかな」
「色んなパートをしてきたけど、やっぱり歯科衛生士の仕事のほうが良いかも」
そんな思いを抱きはじめた元歯科衛生士さんは多いのではないでしょうか。

復帰の2文字が思い浮かんだと同時に、ブランクが長い故の悩みも頭をよぎったはず。

・ブランク期間が長いけど、採用してくれる所があるのか
・いきなり細かい作業ができるのか
・新しい医療技術や器具の使い方を覚える事ができるのか
・育児や家庭と本当にうまく両立できるのか

など、次々に溢れ出てくる復帰への不安要素。

歯科衛生士への復帰は諦める?
とりあえず入職してから考える?
どうしたら良い!?

久々の復帰だからこそ、不安のない状態で良いスタートを切れる歯科医院を選びたいですよね。

そこで、ブランクのある歯科衛生士さんが最適な復職先を見つけるためにはどんなステップを踏んだらいいのか、注意したい点について取り上げたいと思います。

2. ブランクのある歯科衛生士が抱える悩み

困った歯科衛生士

悩みを解消しないことには復帰への第一歩は踏み出せません。
でも実は・・・ブランクのある歯科衛生士が抱える悩みは、採用側にとってみると全く気にならない事だったりもするのです。
そこで、お悩み別に転職市場の実際のところをご紹介していきます。

<悩みその①>ブランクがあっても採用してもらえるのだろうか

「ブランク」という響きはどうしても良い印象がありませんよね。
しかし、歯科衛生士の場合は違います。
実は、ブランクがあっても構わないという歯科医院がほとんどで、デンタルワーカーでもブランクを歓迎する求人は2400件近くもあるんです。

でもなぜブランク歓迎の歯科医院が多いのでしょうか?

それは、歯科衛生士にとってブランクは付き物だからです。
歯科衛生士の男女比は女性が圧倒的に高く、結婚や出産というライフイベントで離職するケースが非常に多いのです。
資格は持っているものの歯科衛生士の職に就いていない潜在歯科衛生士の数は、第一線で活躍する歯科衛生士の数を上回っていると言われています。
採用側も歯科衛生士の大多数はブランクがあるというのは重々承知していますので、ブランクがあるからと復帰を躊躇する必要はありません。

<悩み:その②>10年20年・・・ブランク期間が長すぎて雇ってくれる所があるんだろうか

10年15年などブランク期間が長すぎる場合、採用してくれる医院があるのか心配という方も多いかと思います。
しかし実はブランク期間はさほど重要ではありません。
採用側が重視するのは、"人柄""どの時間帯に入れるのか"という点です。

歯科衛生士の転職支援を行なっているキャリアアドバイザーによると、 経験20年でクセが強い歯科衛生士さんよりも、たとえ15年現場を離れていても 学ぶ意欲が高い方、謙虚な方のほうが好まれるケースが多いとの事。
女性社会でもある歯科医院。
人間関係が色濃く出ますので、皆が円滑に仕事ができるよう人柄を重視したいというのが本音なのです。

また、時間に融通が効くかどうかというのも重要なポイントです。
子育てとの両立を希望する歯科衛生士さんが多いなか、保育園や学校が終わるまでの午前診だけ入りたいという方も比例して多くなりますので午後診や土曜はどうしても人手が不足しがちに。
10年20年のブランクがあっても、午後診に入れて土曜も働けるという方は大変重宝されますので、ぜひ自信を持ってくださいね。

<悩み:その③>久しぶりすぎて・・・技術面が不安

長い間現場から離れていると「細かい作業が怖い」と不安になっている方も多いはず。
そんな方におすすめなのは、まずは歯科助手からスタートし、ある程度慣れてきたら歯科衛生士の業務に移るという方法です。
難しい技術を必要としない歯科助手でまずは現場や仕事の流れに慣れて、3ヶ月後に歯科衛生士業務に入るという方も多いんです。

また、技術面に不安がある方は訪問歯科もおすすめ。 訪問歯科は自力で通院できない方の自宅や高齢者施設を訪問し、患者さんの口腔ケアを行います。なぜ訪問歯科がおすすめかというと、訪問に使用する機材の種類が限られているので、一から覚え直す事柄が外来よりも少なくて済むからです。

注意したいのは、訪問歯科における歯科衛生士の役割がチームで動くのか歯科衛生士単独で動くのかで異なるという点です。チーム制の場合は歯科医のサポートが主な役割となりますが、単独制の場合は一人で口腔ケア、居宅療養管理指導を行わなければなりません。
単独での訪問歯科はベテラン歯科衛生士向けですので、技術面に不安がある方はチーム制を取り入れている歯科医院を選ぶのがベターです。

<悩み:その④>歯科衛生士以外の職歴は印象が悪いのではないだろうか・・・

一般的な転職では、異業種での就業経験は印象が悪くなりやすいと言われていますが、歯科衛生士の場合は逆にメリットとなります。

歯科医院はサービス業的側面が強く、患者さんとのコミュニケーションが大切になりますので、異業種での就業経験は顧客対応のスキルがあるとして医院側にとってはメリットが高いのです。

歯科医院とサービス業、一見結びつきがないように見えますが、実はとても密接な関係にあります。なぜかと言うと、街中には歯科医院が溢れているからです。
歯科医院はコンビニよりも多いとよく言われますよね。
実際はどうなのかというと、総数を比べてみたグラフがこちら。

歯科医院とコンビニの総数

(参考:厚生労働省|医療施設動態調査 平成29年度3月末概数)

(参考:都道府県データランキング|コンビニエンスストア)

青色が歯科医院でオレンジ色がコンビニです。
厚生労働省による平成29年度3月の調査では、歯科医院の数は68,913施設であり、月刊コンビニによる同年同月時点でのコンビニ店舗数の調査では55,612店舗でした。 コンビニは至る所で見かけますが、歯科医院はそれ以上にあり、半径300m以内に歯科医院が4件あるなんて事もザラです。これがいわゆる歯科医過剰問題
この歯科医過剰問題下で安定的な経営を図るには、患者の満足度を高め、医院と患者の絆を強いものにしないといけません。
このような背景から、患者とのコミュニケーションを大切にする医院が増えているのです。

<悩み:その⑤>育児や家庭と両立できるのだろうか

お子さんが小学校や中学校に入学して子育てがひと段落したとはいえ、学校行事や急な用事、夕食の準備などママはやるべき事がもりだくさん。 「本当に両立できるのだろうか」「午前勤務だけでも採用してくれるのだろうか」など悩みはつきません。
しかし、女性が大多数の歯科衛生士業界。 結婚や出産、介護などどんなライフステージでも働きやすいように「午前勤務OK」「週休3日」など柔軟な働き方を取り入れている医院が増加しています。
歯科口腔保健の関心が高まる昨今では、潜在歯科衛生士の復帰の必要性が高まっており、医院側も求職者一人一人のライフスタイルに合わせて働ける仕組み作りが求められているのです。

3. 復職前に知っておきたい歯科衛生士を取り巻く転職市場

医療技術は日々進歩しており、歯科医衛生士を取り巻く事情も目まぐるしく移り変わっています。
これから歯科衛生士に求められるスキルは何なのか、歯科衛生士の求人傾向はどうなっているのかなど、復職活動を始める前にぜひ把握しておきましょう。

・訪問歯科のニーズが高まっている

超高齢化社会に突入し、歯科治療を必要とする要介護認定の高齢者は増加の一途をたどっています。訪問診療を行う歯科医院は年々増加していますが、それでもまだまだ全体の約9%(※1)。
歯科医院が訪問診療を行わない理由の一つには、歯科衛生士の不足が挙げられています。高齢者の健康維持に欠かせない口腔ケア。
一般社団法人 日本訪問歯科協会によると、全国で歯科診療を必要としていながらもまだ医療ができていない要介護者はおよそ254.7万人(※2)にも及んでおり、厚生労働省も在宅歯科医療の推進を掲げています。 訪問歯科では患者様やご家族とのコミュニケーションが非常に重要ですので、人生経験の豊富さ、異職種での勤務経験は大変有利になります。

これから新しい技術を習得したいという方は、ぜひ訪問歯科を学ばれてみてはいかがでしょうか。

(※1参考:公益社団法人 日本歯科医師会|在宅歯科医療 現状と課題)
(※2 参考:一般社団法人 日本訪問歯科協会|訪問歯科の現状)

・日曜診療、夜間診療などサービスが多様化

街中に歯科医院がひしめきあう中、患者さんから選ばれる歯科医院になるには他院との差別化が欠かせません。自費治療を専門に展開する歯科医院、患者のニーズに応えるために日曜や夜間まで対応する歯科医院、最新機器で差別化を図る歯科医院などサービスは多様化。
医院の営業時間が変われば働き方を変更せざるを得なくなりますので、入職前に医院の方針を把握しておく事は非常に大切です。

4. 長いブランクからスムーズに復帰するには!?注意すべき3つの事

長いブランクがある歯科衛生士さんの職場復帰で注意したいのが、 「焦らない」「妥協しない」「人材教育に力を入れている医院を選ぶ」という事です。

コンビニの数ほどあるんだからと、焦って復帰先を選ぶのは要注意。
復帰後一発目の就業先で挫折した場合、人によっては歯科衛生士として再起するのが怖くなる事もあります。
それだけ長いブランク明けの勤務先選びは重要なのです。
人材教育に力を入れているのはもちろん、優しい教育者がいるかどうかも失敗しない復帰先選びのポイントです。何年も現場を離れると基本的なことでさえも忘れていますし、カンを取り戻すまでに時間がかかります。そんな状況を理解し優しく諭してくれる教育者がいれば、焦らずゆっくりと歯科衛生士としての自信を取り戻せるはず。

焦らず妥協せず、教育環境が整った歯科医院を探すのが、スムーズな復帰への一番の近道です。

5. 求人は自分で見つけるのではなく、マッチング

近年は歯科衛生士の転職市場にも人材紹介というサービスが広がってきています。
数多ある歯科医院の中から最適な復帰先を選ぶのは難易度が高く、また院長の方針や人間関係など自分に合った職場かどうかを自分の目で見極めるのは非常に難しくなっています。
人材紹介会社の場合は、キャリアアドバイザーが歯科医院一つ一つの情報を入手・分析し、あなたに適した復帰先かどうかを第三者目線でしっかりと判断してくれます。また、これまでの転職支援実績に基づいて、ブランク別に最適な復帰先を提案してくれます。
利用料は一切かかりませんので、人材紹介の会社に一度復帰について相談してみてはいかがでしょうか。

歯科衛生士の人材紹介はデンタルワーカー!

6. まとめ

ブランクのある歯科衛生士さんが最適な復職先を見つけるためには、という題目で様々な事柄を取り上げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
この記事が、資格を持っていながら復帰を躊躇している潜在歯科衛生士さんの自信に繋がれば幸いです。ぜひ勇気を持って一歩を踏み出してみましょう!あなたのその技術を待っている患者さん、歯科医院がきっとあるはずです。

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